ETFとインデックスファンドについて 2008.8.15-10:23

先日、ご質問させていただきました。○○です。

ETFの信託報酬は、インデックスファンドに比べると半分以下と安く有利と思いましたが、それだけでは判断できないとは、どういうことですか。
どっち  2008.8.15-10:23


FP岩川の解答

ETFは、市場平均に連動した資産形成を行うには、適した商品です。
長期投資の上で、最も重要な信託報酬も、インデックスファンドより安く有利であるのは、ご存じのとおりです。

その一方で、ETFにも、不利と考えられる点がいくつかあります。
それは「配当金(インデックスファンドでいう分配金)の現金受取り」です。

これは、長期投資においては、インデックスファンドとの運用結果の差を縮小する要因と考えられます。

インデックスファンドにも、年一回の決算時に分配金が支払わていますが、再投資されることにより、投資口数が増加し、効率よく運用されることになります。
 
しかし、現金で配当金を受け取らなければならないETFは、即時の再投資が不可能で複利運用という点では、不利になると考えられます。

また、ETFは、インデックスファンドのように1万円といった少額から購入できないため最低購入単価に満たなければ、再投資もできず、運用機会の損失にもなりますし、リバランス(配分の修正)もきめ細かく行うことができなくなります。

さらに、基準価格に対して配当金(分配金)の支払われる率が、インデックスファンドに比べると、ETFは高いと言えます。

つまり、配当金の支払われる率が高ければ、課税対象となる部分が多くなると考えられます。

(TOPIX連動のETFとインデックスファンドの一部を2003年から2007年まで比較して申し上げていますが、将来の約束、情報の完全性を保証している訳ではありません。)

結果として、超長期投資を考えると、ETFとインデックスファンドの運用成果には、それほど大きな差はなく、両者の仕組みを考えると、むしろ20年以上の運用には、インデックスファンドが勝るのではないかと思ってしまいます。
(よーいドンで比べてませんから、あくまでも予測になりますが。)


まとめますと、

1.配当金を受け取り、再投資を別途貯蓄に回す手間をかけても、「低コスト」とを追求するならば、ETFを選択する。

2.手間無く、じっくりと寝かせて殖やすのであればインデックスファンドを選択する

どちらを選択するかは個人の考えにより異なりますが、いろんな角度で確認し、何を最優先するのかが、判断の決め手となるのでしょう。
投信mkt  2008.8.15-23:23